アミカの病気③~甲状腺機能亢進症・後編

2018年05月31日 (木)

オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。

前回、うちのアミカの甲状腺機能亢進症についてお話しましたね。

過去記事はこちら→ 前編:病気発覚と診断 / 中編:甲状腺の触診と内科療法

 

アミカは、甲状腺ホルモンを抑えるお薬チアマゾールを朝晩飲んで、良い状態を2年半維持しておりました。内服薬でも十分に管理できていましたが、病気の完治(投薬が必要なくなる)を期待して、2016年10月に腫れた甲状腺を摘出することになりました。

 

 

上図は猫ちゃんの甲状腺の模式図です。アミカは左側の甲状腺が腫れていましたので、左側の甲状腺摘出を行いました。

血管が豊富に走っていますので、慎重に被膜(包んでいる膜)を開いて少しずつはがして甲状腺を摘出します。上皮小体というカルシウム濃度を調節する臓器は残して甲状腺のみを摘出するのです。

 

 

写真は、摘出した左甲状腺です。

このちっちゃな1cm強の臓器が、厄介な病気を引き起こしてたんですから驚きです!

 

摘出した甲状腺を病理検査に出しましたが、結果は良性の「甲状腺腺腫」でした。腫瘍は良性でしたので、転移して命にかかわるといった悪さをすることはないのですが、甲状腺ホルモンをどんどん分泌して悪さをするんですね

 

摘出後から今日まで、アミカの甲状腺ホルモンの値はずっと正常値をキープできています。甲状腺機能亢進症は、見かけ上完治したと言ってもいい状態になりました。

 

 

 

このように、外科手術(甲状腺摘出術)のメリットは、投薬が必要なくなる場合があるということです。

デメリットとしては、高齢の猫ちゃんに全身麻酔をかける必要があること、あるいは手術自体の危険性(出血や甲状腺摘出による甲状腺機能低下症など)です。

 

手術を受けたいと思っても、いきなり甲状腺摘出を行ってはいけません。甲状腺ホルモンは、腎臓に限って言えば、腎臓に流れる血液を増やして腎臓を助けてくれています。そのため、甲状腺ホルモンを抑えこんでしまうと、隠れて持っていた腎臓病が急に悪化して具合いが悪くなる場合があります。

手術を検討する場合でも、まず内科治療を行った上で、腎臓の数値が上がってこないことを確認してからとなります。

 

 

まだ手術を受けた頃の若々しい写真(とは言っても13歳なんですが・・・)が出てきました。毛も黒々しく毛量も多いです。

これで甲状腺編は終わりですが、この後また別の大きな病気を患うことになるんですが。。。その話はまた今度にしましょう。

 

年とったにゃー🐾

アミカの病気②~甲状腺機能亢進症・中編

2018年05月22日 (火)

オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。

先日、うちのアミカの病気甲状腺機能亢進症についてお話しましたね。

前回記事をまず読みたい方はコチラをご覧ください。

 

前回、猫の甲状腺機能亢進症の症状をお伝えしました。

疑わしい猫ちゃんに、ご自宅でできる「甲状腺の触診」という検査があります。

もちろん僕ら獣医師でも、触診で答えが100%分かるわけではないのですが、甲状腺が明らかに触れるくらい大きく前回記事のような症状がある場合は、甲状腺機能亢進症の疑いが強くなります。

 

まずは猫ちゃんの甲状腺の解剖です。

上図のように、猫の甲状腺は、のどの下の首を走る気管の横に左右にあります。

 

触診の方法は、以下の通りです。

1.上図のように、猫の頭を上に向けます。

2.中央に真っすぐ堅く触れるのが「気管」です。その気管を親指と人差し指で左右からつまむようにして、上下へと滑らせます。

3.のどの下⇔前胸部と上下に何度も滑らせていると、その指に「プルン」と触れては逃げるのが「甲状腺」です。

 

甲状腺機能が正常な高齢猫ちゃんでも、触れる子はたくさんいますので、「うちの子、触れたから病気だ~!!」と慌てる必要はありませんよ。まずは病院にお越しいただいて、甲状腺ホルモン測定の検査を行ないましょう。

 

猫ちゃんの甲状腺機能亢進症は、10歳を過ぎたあたりで発生頻度が高くなります。

 

難しい方法ではありませんので、10歳以上の猫ちゃんを飼っている方は、ぜひご家庭でやってみてくださいね。

 

 

・・・・・前置きが長くなりましたが、アミカについての病気の話の続きです。

甲状腺機能亢進症と診断されたアミカですが、まずは内科療法を行っていきます。

 

 

内科療法には2つ方法があります。

 

1.チアマゾールという甲状腺ホルモンを抑える薬を服用する方法

錠剤のおくすりを朝晩(あるいは1日1回)飲ませて、甲状腺ホルモン分泌を抑える治療法です。

少ない量から始めて、甲状腺ホルモンT4値をチェックしながら増量し、その子に対しての適量を決めていきます。

一度用量が決まっても、定期的にT4をチェックする必要があるのと、生涯にわたってお薬を飲まなければなりませんが、大きな副作用も少ないので、日本国内では最も一般的に行われている治療方法です。

 

2.食事療法でコントロールする方法

ドライフード(1種類)と缶詰(1種類)があります

 

ヒルズのy/dという療法食を用いて、食事で甲状腺ホルモン分泌を抑えていく治療法です。

y/dというフードは、特殊な製造工程で、体の中で甲状腺ホルモンの原材料となるヨウ素(ヨード)を極限まで抑えてフードを製造しています。そのフードを毎日食べ続けることで、甲状腺ホルモンの原料であるヨウ素を体の中から枯渇させて、ホルモン分泌を抑えていく方法です。

副作用がない点がメリットですが、おやつや人間の食べ物、同居猫や犬のフードを少しでも口にしてしまうとヨウ素を摂取してしまいますので、効果がありません。

そのため、フードなら選り好みせず何でも食べる猫ちゃんで、単独飼育(1頭だけで飼われている)の猫ちゃんが適応となります。

 

 

うちのアミカはというと・・・

大変グルメに育ちました。病院で粗食に耐えさせてたはずなんですけどねぇ。。

食べ物へのこだわりが強く、何種類かのフードをミックスしてあげても、嫌いなフードだけより分けて残します。

 

そんなアミカにはy/dは難しく、必然的にチアマゾールの服用となりました。

甲状腺ホルモンT4の正常値は1.0~5.0 μg/dLですが、病気発覚時点での数値は6.5 μg/dLでした。

チアマゾールを服用して、T4値がおおよそ3.0 μg/dL前後で推移し、特に副作用もなくコントロールできましたよ。

 

 

後編へとさらに続く。。。

 

 

うっとり♡

アミカの病気①~甲状腺機能亢進症・前編

2018年05月13日 (日)

  1. オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。

先日病院猫のアミカをご紹介しましたね(参照:『ボク・・・アミカ』

彼はオークどうぶつ病院けやきの大先輩でもあります。

16歳と高齢ですが、今も色んな病気と闘いながら元気に過ごし、スタッフを癒してくれてます。

 

ちなみに僕が見に行くと、こんな感じでケージの奥に逃げます↓

すっかり嫌われてますね。。。(-_-;

 

 

そんなアミカですが、4年前の春(2014年4月)に急激に体重が減りまして、検査で甲状腺機能亢進症が見つかりました。

 

甲状腺機能亢進症は、1979年に初めて報告された新しい猫ちゃんの病気で、なぜか日本の猫での発生が近年増加しております。

原因はハッキリ分かっていませんが、日本の猫での発生が多い→地域によって発生率が異なる→ナゼ??

・・・ということで、食事も含めて何か環境的な要因(環境ホルモンが原因説など)が関与しているのではと疑われております。

 

病気について詳しく知りたい方は、老猫の予防ページ『猫の甲状腺機能亢進症』をご覧ください。

 

 

甲状腺機能亢進症に多い症状ベストテンを順に挙げると、

1.体重が減る(92%)

2.たくさん食べる(61%)

3.水を飲む量が増える尿量が増える(47%)

4.活発になる、落ち着きがない(40%)

5.下痢や便の回数が増える(39%)

6.吐く(38%)

7.薄毛や毛玉、皮膚が乾燥したりべとつくなどの皮膚の変化(36%)

8.呼吸困難や頻呼吸などの呼吸器症状(23%)

9.食欲がない(14%)

10.元気がない、無気力(11%)

 

症状で注目すべき点は、2位~4位までの症状(たくさん食べる・水をよく飲む・活発になる)は、病気の症状とは思えないので、飼い主さんに気づかれにくいということです。1位にあるように「体重が減った」としても、『最近やせてきたけど、よく食べてるし元気だし、年のせいかな~?』という風に、しばしば見逃されます。。。

 

甲状腺ホルモンは、全身の様々な臓器の代謝を上げ活発に動かすホルモンです。

その働きが高まることで、一見元気そうに活発になったり食欲が上がったりします。しかし、食べても代謝が活発になってるため、太りません。

 

そこで病気の症状と気づかずに経過すると、最終的には体重が落ちたり筋肉が衰えたり高血圧が起きたりした結果として、9位~10位のように食欲がなくなったり元気がなくなったりもするのです。

 

また、甲状腺ホルモンは心臓に対しても心臓の収縮力を高めたり血流量を増やしたりしますので、まれに心筋症やうっ血性心不全という心臓病になり見つかった時には命にかかわる状況ということもあるのです。

 

 

上記のような症状があった場合は、早めに検査をオススメします。

オークどうぶつ病院では、院内検査で甲状腺ホルモンT4が測定できますので、即日診断可能です。

 

甲状腺チェックにゃ🐾

 

 

中編へと続く。。。

後肢のつけねに脱毛

2018年03月12日 (月)

という、15歳の去勢猫です

 

内股かな~と思いながら診察です

 

しかし、見てしまいました

 

確かにつけね・・・

 

 

 

 

問診では2週間前から元気食欲がなく、歩き方が不自然だったとのこと

 

肛門嚢破裂および、壊死・・・という状況

 

 

 

バリカンで毛を刈り

 

 

 

キシロカインゼリーを塗布し局所麻酔

 

壊死部分を切除

 

 

 

そして洗浄

 

 

 

 

コンべニアとアイプクリーム投与

 

 

 

 

肛門の横に大きな傷・・・食欲なくなるのはわかります

 

 

自宅でもアイプクリームは継続でお願いしました

 

汚れたら、お湯で洗いながすように指示

 

大切な点は、消毒液では絶対に傷を洗わない、消毒しないことです

 

 

 

それでみるみる治癒するはずです

 

待ちましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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首のまわりに

2018年03月11日 (日)

毛玉があるので取ってください

 

・・・

 

ちょっとwildな猫です

 

 

 

・・・

 

おいおいおい、おとなしく~

 

 

 

 

 

毛玉取れたけども、

 

毛玉の原因も取れた

 

 

 

 

首輪にからまっての毛玉

 

しかし、首輪も大事

 

 

予防は定期的にブラッシングです

 

してあげましょうね ♪~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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狼煙ではありません

 

肛門嚢破裂

2018年03月10日 (土)

T・プードル君です

 

尻から出血という主訴

 

 

 

 

肛門嚢が腫れあがって、破れています

 

 

そこから膿・・・激痛

 

 

膿を出して抗生剤投与

 

 

自宅でのシャンプ-だそうですので、シャンプーごとに肛門嚢を絞りましょうね

 

 

 

 

 

 

定期的に絞るのが予防の決め手です

 

 

 

 

 

しかし、これで治癒しなければ腫瘍も考えなければなりません

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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FFチューブ

2018年03月08日 (木)

正式名称は Force Feeding Tube

 

強制給餌という意味です

 

病気で食べないが消化器症状もない

 

食べねば、治癒は難しい

 

そこで、FFチューブ留置

 

 

 

点眼麻酔をして5分後

鼻にも麻酔が行きわたって処置可能

 

8フレンチの大きさの栄養カテーテルにキシロカインゼリーを塗布し滑りを良くする

 

鼻から胃の直前までチューブを入れて、鼻と頭に留置

 

 

 

 

余分なチューブはくるくる巻いて、首に留置

開始から終了まで5分弱

 

そこから流動食を入れる

 

 

 

 

薬も入れる

 

 

 

本人は知らん顔

 

 

これさえあれば点滴もいらなくなります

 

 

元気になったら口から食べることができます

その時がはずしどき、退院どき

自宅療養もこのままできます

 

 

 

 

 

 

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学生時代は牛や馬で鼻からチューブ入れてました

 

 

 

 

血を吐いた

2018年03月04日 (日)

と言う主訴はとても多い

 

お聞きすると、薄いピンク色やちょっとの赤など

 

1回くらいではおおごとにはなりにくいですが、

 

今回は種類が違う

 

 

 

こっちをむいてくれます

 

フタアゴヒゲトカゲくん

 

 

口の周りには、跡があります

 

 

 

 

しかし、吐いたらしいのは昨日のお昼・・・

 

1日経っていますので血は止まっているようです

 

コオロギの硬いところが口に当たった??

 

 

はい、あ~んして~

 

 

貧血?

 

もともとこんな淡い口の色?

 

上向いて~

 

 

 

 

下向いて~

 

 

 

 

やはり舌の色が淡い・・・

 

栄養強化指導

 

口腔内奥は血の残りがありました

 

 

しかし、食欲、元気もあり、スクラルファート処方

 

 

 

 

 

 

数日黒い便が出るかもしれませんが要観察で自宅療養です

 

 

 

 

 

 

 

 

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マンソン裂頭条虫

2018年02月28日 (水)

 

尻から虫が出たっ

ご来院です

 

尻から引っ張って持ってきた

ありがたいことです

 

 

やや干からびていますが、

 

 

ゆっくりと、取り出して

 

 

水でうるかして、(こういうのが好きなVT↑)

 

 

伸ばします

手延べそうめんではありません

 

 

脅威の60cm越え

 

 

これはマンソン裂頭条虫と言う寄生虫

 

カエルやヘビを食べたら寄生します

 

やたらと強い寄生虫

普通の条虫の6倍の薬を投与しないと駆除ができません

錠剤なら10錠近い量 ⇒ そんな大量無理ですので、注射で駆除

 

 

美しいので即、ホルマリンで永久保存

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘビとカエルは食べないようにしましょう

 

 

 

 

 

 

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ちなみに人にも感染します

ヘビとカエルは生で食べないようにしましょう

http://idsc.nih.go.jp/iasr/CD-ROM/records/15/17007.htm

 

 

75℃

2018年02月26日 (月)

 

温浴の温度にしては、キツイ

 

一瞬と言うことでしたが・・・

 

 

手のひらは水ぶくれ

 

手の甲は大丈夫ですが、

 

 

 

全ての四肢の掌が水ぶくれ

 

 

元気なのがたいしたもんです

 

 

 

 

 

 

 

 

From                  Oq

 

 

 

 

 

 

 

 

水ぶくれは薬浴で治癒を待つことに