メス猫の避妊手術とは、卵巣・子宮を摘出して繁殖させなくする不妊手術のことです。
猫は多発情型動物と言われ、一つの発情期に何度も発情を繰り返します。おさまったと思ったらまた鳴き始め、鳴き声で飼い主さんが眠れない日々を送っているという相談をよく受けますが、避妊手術を行えばそのような煩わしさはなくなります。また、女性ホルモンが原因で将来起こる可能性がある病気を予防できます。メス猫の場合、乳腺(おっぱい)にしこりができた場合、90%が悪性と言われていますので、若いうちに避妊手術を受けさせましょう。 

避妊手術をするメリット・デメリット

 

メリットその1: 女性ホルモンが原因で起こる病気の予防

避妊手術を行うことで、以下のような病気の予防につながります。

(しきゅうちくのうしょう)

子宮の中に雑菌が繁殖し、子宮の出口が閉じて内部でどんどん膿がたまる恐ろしい病気です。
治療は、原因となっている膿をためた子宮を摘出する避妊手術以外にはありません。同時に、点滴や抗生物質による治療を行っていきます。 

関連リンク目で見る病気:「子宮蓄膿症」

乳腺腫瘍
(にゅうせんしゅよう)
乳腺(おっぱい)にしこりができる病気です。
猫の乳腺にできるしこりは、90%が悪性の乳ガンと言われています。近くのリンパ節や肺や骨などに転移をして最終的には亡くなってしまいます。 

治療は、手術で乳腺のしこりを摘出して病理検査に出します。
猫の乳腺腫瘍は多くは悪性なので、拡大切除(わきからうしろ足の付け根まで片側の乳腺を全摘する術式)を行う場合が多いです。

 

関連リンク目で見る病気:「乳腺腫瘍」

 

 

メリットその2:発情期に起こる問題行動の予防・治療として

発情中の猫は、オス猫を呼ぶために大きな声で鳴き続けたり、尿スプレー(しっぽを高く上げて壁に尿を吹きかける)をしたり、なかには食欲が落ちる子もいます。そういった問題は、避妊手術を行うことでほとんどが改善します。

 

 

デメリットその1:体重増加・肥満の問題

デメリットは少ないですが、避妊手術で卵巣を取り除くことでホルモンが変わりますので、コロンと太りや
すくなる子が多いです。避妊手術後は、低カロリーの去勢手術後用のフードを与えることを推奨しています。

 

 

尿路結石・下部尿路疾患のリスク

メス猫の避妊手術後は、尿路結石・下部尿路疾患のリスクが高くなると言われています。手術後には、尿路結石・下部尿路疾患に対応したフードを推奨します。当院では、避妊・去勢を終えた猫ちゃん用のフードも取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

避妊手術をする時期

メス猫でもメス犬と同じように、早期に避妊手術を行うことで乳腺腫瘍の発生を予防できる事が証明されています。1歳になる前に、あるいはなるべく若いうちに手術をすることをオススメします。

 

発情中は子宮血管が太くなりますので、出血のリスクが増えます。追加料金を頂くこともございますのでご注意ください。

 

手術の時期としては、生後6ヶ月以降であればいつでも可能です。
診察をした上で手術日程を決めていきますので、一度ご来院ください。

 

 

メス猫の避妊手術の料金

当院では、手術当日に必ず血液検査を行い、麻酔をかける上で大きな異常がないことを確認してから手術を行っております。手術後1泊2日は入院となります。
メス猫の避妊手術の基本料金(術前血液検査・麻酔費用・入院費用含む)は以下の通りです。

 

健康な若い猫ちゃんの手術料金となっております。子宮蓄膿症の場合、高齢猫での手術などでは料金は変わって来ますのでご注意ください。

 

乳腺腫瘍と同時に手術を行うなどの追加手術がある場合、歯石除去を同時に行う場合なども、下記の料金に加えて追加料金がかかる場合がありますのでご了承ください。

 

避妊手術
体重など 入院 料金
体重に関わらず一律 1泊2日 ¥28,000~

(料金は税抜き)