筋力の衰え・変形性関節症について

犬も猫も人間と同じで、年をとると痩せて筋肉量が落ちてきます。特にワンちゃんは、前足と後ろ足にかける体重が均等ではなく、体重の70%を前足に乗せて歩きます。そのため高齢犬では、前足にばかり意識が行くので、衰えてくるのは後ろ足からということが多いのです。

 

その結果、後ろ足がふらついたり、お座りの姿勢から腰を持ち上げるのに苦労したり、立っている時に後ろ足が震えたりといった症状が出てきます。

 

猫ちゃんも、筋肉の衰えによりこれまで上がれた場所に上がれなくなったり、さらに視力低下も重なると、高いところから落下したりする危険性も出てきますので、生活環境の見直しが必要となります。

 

 

高齢犬に多いもう一つの問題として、関節のトラブルがあります。人間も年とともに階段の昇り降りで膝が痛むなどの症状が出ますが、犬にも関節の軟骨がすり減って痛みが出る変形性関節症(へんけいせいかんせつしょう)がよく起こります。(大人の犬の20%で発生するとも言われます。)

 

また、老化とともに背骨どうしがくっついて背骨の可動性が悪くなる変形性脊椎症(へんけいせいせきついしょう)も重なると、さらに足腰の不調を招いてしまいます。

 

関節に痛みが出たり可動域が狭くなることで、歩幅が短縮してトボトボ歩くようになり、ジャンプしない、散歩に行きたがらないなどの行動の変化が表れ、触ると怒るようになったりもします。

 

 

猫でも変形性関節症はしばしば起こります。猫は痛みを訴えることがあまりなく明確な症状を出さないので気付きにくいのですが、7歳以上の猫の50%がかかっているという報告や、12歳以上の90%近くの猫で、レントゲン検査で変形性関節症を確認できたという報告があります。実は想像よりたくさんの猫ちゃんが悩まされている病気なのです。猫でも背骨の変形性脊椎症になると、後ろ足の麻痺が出て踏ん張りが利かなくなってふらついたりする子もいます。

 

 

筋力低下への対策としては、早い段階であれば、立ったりお座りしたりを交互にさせる、立った状態で「お手」をさせた状態を10秒キープする、リラックスしている状態でしっぽを持ち上げてパタンと放す、などの筋力トレーニングをすることで、筋力の衰えを予防できるかもしれません。

 

 

関節のトラブルへの対策としては、様々なサプリメントを院内で取り扱っています。グルコサミンやコンドロイチンなどの従来の関節用のサプリメントに加えて、抗炎症成分(炎症を和らげて症状を緩和する)を含む新しい製品も登場しています。

 

猫ちゃんにも与えられる製品や、ドッグフード・キャットフードの中にグルコサミンなどの成分を含むフードもありますので、お気軽にお問い合わせください。

 

 

足腰が弱ってあまり歩けなくなったからといって、過剰に心配して安静にしてしまうとさらに筋力が衰えてしまいます。ワンちゃんは散歩を控えるのではなく、無理のない範囲でお散歩に行ってもらう方が良いでしょう。

 

ふらついて転倒するのを防ぐために、様々なサイズのワンちゃん用の介護用ハーネスが販売されています。最近では、見た目もオシャレなデザインの製品も登場しました。病院でもカタログを取り扱っておりますので、お気軽にお問い合わせください。(トンボ・ハーネスLaLaWalk)ハーネスを使用してワンちゃんの自力歩行をサポートしてあげましょう。