認知症(痴呆・ボケ)について

高齢になって飼い主さんを悩ます問題の一つに老犬のボケの問題があります。犬の場合は認知症ではなく痴呆と呼ぶことが多いのですが、人間と同じように加齢に伴い脳細胞が減ったり脳神経機能が衰えてうまく機能しなくなることで起こります。全てのワンちゃんがなるわけはありませんが、とりわけ日本犬の雑種や柴犬に多いです。日本犬に比べると少ないですが、ヨークシャーテリアやトイプードルなどの洋犬でも起こります。

 

症状は、目的もないのにグルグルと徘徊してなかなか寝ない、昼夜逆転して夜中に吠える(近所迷惑で悩む方が大変多いものです)、狭いところに頭を突っ込んで出て来れず、出れないことでワンワン鳴いて呼ぶ、トイレ以外の場所で排泄をする、飼い主さんのことを認識していない、急に触ろうとすると咬みつくなど・・・様々な問題が起こってきます。

 

対策は、入り込む場所をなくす、段差をなくして落ちたり転倒して怪我をしないよう気を付ける、徘徊がひどい場合は円形のサークルのような環境を作ってあげるなどがあります。壁にウレタンマットや柔らかい素材を貼り、ぶつかって怪我をしないようにすると良いでしょう。小さな犬であれば、子供用のプールなどもオススメです。

 

夜鳴きに対しては、生活環境の問題で鳴いていないか見直す、太陽の光を浴びさせるためにカートで散歩に連れ出す、日光浴も効果があるかもしれません。それでも夜鳴きで近所迷惑に悩まされている、飼い主さんの生活に支障が出ているケースなどは、よくよく話し合った上で鎮静剤(睡眠薬)を処方する場合もありますが、体への負担がないわけではありませんし、痴呆の症状を進行させてしまうとも考えられていますので、極力お薬を使わないことをオススメしています。

 

人間と同様に認知症は治ることはありません。しかし、症状の進行をゆっくりにしたり予防することは可能と言われています。脳に刺激を与えることは非常に重要です。カートに乗せてでもかまいませんので、外に出かけて新しい犬や人と出会う機会を作りましょう。お手やお座りなどの躾をちょっとした遊び間隔で行う、スキンシップをする、積極的に声をかけてあげるなど、どんどんやってあげてください。

 

不飽和脂肪酸(DHAやEPAなど)を含むサプリメントやフードに効果があると言われています。最近では抗酸化作用が効能のサプリメントも効果が期待されております。まずはお気軽にお問い合わせください。

 

猫も高齢になると、トボトボと徘徊したり、夜に大きな声でワーワー鳴いたり、食べたばかりなのに何度もご飯を催促して鳴くといった痴呆の症状が出る子もいます。猫は人間と同じアルツハイマー型の認知症になりやすい動物と考えられています。

 

高齢の猫は周囲の刺激に緩慢になっていることが多く、ペットホテルでお預かりしてても、若い猫は緊張してケージの隈っこで食べるのも排泄もジッとガマンしていることが多いのに対し、あまり緊張せずリラックスして丸まって寝ていて、お腹が空いたらニャーニャー鳴いて寄ってきたりします。

 

体も軽く、元々運動能力の高い猫ちゃんですから、犬の痴呆と比べると、飼い主さんを困らせることも少ないとは思いますが、高いところから落下しないよう環境を見直したり、足腰が弱った猫でも入りやすいようトイレの高さや置き場所を工夫し、あちこちでおしっこをする場合はオムツをはかせたりといった対策をして、猫ちゃんと過ごすハッピーな時間を楽しんでください。