老犬の介護(寝たきりや床ずれ対策)について

足腰が弱ってしまい、加齢により脳機能も衰えることで、寝たきりになるワンちゃんもいます。特に日本犬の雑種や柴犬などでは1年以上も寝たきりの状態での介護が必要なワンちゃんもいます

 

寝たきりのワンちゃんは、思うようにおしっこやうんちをすることが出来ず、おもらしをして体を汚してしまいます。体が不衛生な環境に置かれてしまいますので、皮膚病の発生が多くなります。

 

こまめにシャンプーができれば良いのですが、難しい場合は洗い流さなくて良い洗浄液やドライシャンプー、拭きシートなどを使用しましょう。病院でも取扱いできる商品がありますので、お気軽にお問い合わせください。

 

寝たきりのワンちゃんは、筋肉量が落ちて出っ張った骨に重点的に体重がかかって血行が悪くなり、皮膚が壊死をしてしまう床ずれ(褥瘡・じょくそう)ができやすくなります。できやすい箇所は、顔(頬骨)、肩(肩甲骨)、腰(骨盤)、後ろ足(大腿骨)などです。

 

床ずれ対策としてオススメするのは、出っ張った骨に重点的に体重がかからないように、体圧分散効果のあるマットレスなど、クッション性の高い敷きものを使用することです。毛布などの厚みのある布製品を重ねるのも一つの方法ですが、通気性が悪く衛生的にはあまりよくありません。

 

人の介護製品でも取り扱われるブレスエアー(東洋紡が開発した新素材)を使ったユニチャームのペット専用介護マットレスを院内でも取り扱えるようになりました。体重がかかる箇所を分散させて床ずれを起きにくくする(体圧分散性)、高反発素材で起き上がりやすい、高い通気性や抗菌・防臭性能、優れた耐久性など、ウレタンマットや毛布の重ね敷きなどに変わる新商品としてオススメしております。ぜひお問い合わせください。

 

出来てしまった床ずれに対しては、抗菌剤の処方や、床ずれ用の外用剤、ウェットドレッシング療法(患部が乾かないように、適度に湿った状態を保つ治療法)などを行います。季節によっては化膿して全身に感染が広がったり、ウジが発生したりする場合もありますので、床ずれを見つけたら早めに受診してください。