猫の腎臓破裂 ②/ a kidney rupture Ⅱ

2021年04月13日 (火)

腎臓付近の腹腔内抗生物質感受性試験結果がきました

 

好気性細菌(+)

AMPC ー  CEX ー  OFLX +
ERFX +  CFV ー  CPDX ー
CVA/AMPC ー  DOXY ー
FOM +  MINO ー  OBFX +
<結果の解釈>
-:薬剤耐性 +:感受性あり

嫌気性細菌(-)

 

これにより腹腔内には細菌があり、効果のある抗生物質は4種類のみと判明

術前にはERFVを投与していたので、少し安心しました

 

 

 

病理検査結果も出ました

 

ネコアメリカンショートヘアー10Y ♂C
慢性化膿性腎盂腎炎 chronic suppurative pyelonephritis
摘出された左腎臓では、腎盂は拡張し腎盂から腎臓実質にかけて多数の好中球やリンパ球、形質細胞の浸潤が起こっています。特に髄質は広範囲に壊死を示し、多数の好中球の浸潤や間質の線維化を伴っています。

また、尿管は拡張し、内腔には好中球を含む変性した組織が含まれています。周囲には顕著な好中球を主体とする、炎症細胞の浸潤が認められます。

摘出された左腎臓では、腎盂から実質内に広がる慢性経過を示す、顕著な化膿性の炎症が認められ、結石や細菌感染などにより引き起こされた変化と考えられます。腎臓実質においても顕著な炎症が加わっており、腎機能の低下が起こっていたと考えられます。顕著な病変が形成されていることから反対側の腎臓の状態や全身状態についても注意が必要です。

 

 

 

 

慢性と診断がついたので以前から左腎臓は蝕まれて、右腎臓だけで頑張っていたのでしょうね

 

 

術後直後の麻酔から覚めた面会では、術前の苦悶の表情から一変、

気分がよさそうに、少し水も飲み始めました

オーナーはその姿を見て喜んでいましたが、残念ながら術後1日目に亡くなってしまいました

 

 

 

腎臓破裂という症例は多くはありません

 

血液検査だけではなく、定期的な尿検査やレントゲン検査を行うことが早期発見になります

 

それはすべての病気に通じますね

 

 

 

 

 

 

 

今回のことで多角的な健康診断血液検査だけではなくが大切なことを、改めて痛感しました

 

 

 

 

 

 

したっけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

disease name is chronic suppurative pyelonephritis.

healing was tough.