CT検査 ② / CT scan 2

大型犬の高齢の起立不能で意識混濁

 

CT検査から悪性の腫瘍の可能性

 

 

 

残念ですが、安楽死になりました

 

 

 

この状態になった原因を確認するため解剖依頼し快諾

 

CT検査と解剖所見、その後の病理検査を組み合わせ、診断の確認をしていきます

 

 

 

 

ボルゾイ14Y ♂C

脾臓、肺、腎臓(左右)、膵臓:血管肉腫 Hemangiosarcoma
左腎臓:出血性梗塞 Hemorrhagic infarction
胃、十二指腸、空回腸、膵臓:出血 Hemorrhage
膵臓:膵島内分泌腫瘍 Islet cell tumor
結節性過形成 Nodular hyperplasia of pancreas
肝臓:著変認めず
 脾臓では、広範囲の出血を伴う腫瘍性の病変が形成されています。腫瘍は不整な血管形成を示す異型な非上皮性細胞のシート状からスリット状の増殖から成り立っています。腫瘍細胞は中程度の大小不同と核異型を示し、分裂像は10個/10高倍率視野です。
 肺、腎臓、左右の腎臓、膵臓でも複数の部位において出血を伴った巣状の上記と同様の腫瘍細胞の増殖が起こっています。左腎臓では楔形に出血が起こっており、同部位の尿細管や糸球体は凝固壊死しています。右腎臓では被膜外にも出血が波及しています。
 胃や小腸の筋層や膵臓では多巣性に出血が起こっています。特に膵臓では境界不明瞭な小型結節状の腫瘍が形成されており、腫瘍は微細な血管結合組織に区画された胞巣状の増殖を示しています。腫瘍細胞は豊富な好酸性顆粒状の細胞質と類円形核を有しています。個々の細胞は軽度から中程度の大小不同を示していますが、分裂像はほとんど認められません。その他の実質では2ヶ所に周囲を圧迫する腺房の結節性過形成が認められます。

 肺実質では辺縁部を主体として肺胞性の肺気腫が認められます。

 検索した全身の複数の臓器では、不整な血管腔を形成する非上皮性の腫瘍が形成されており、血管肉腫と診断されます。おそらく脾臓の血管肉腫の全身転移が起こっていたと考えられます。腎臓では出血性梗塞、消化管や膵臓では多巣性に出血が起こっており、全身性の循環・凝固障害が起こっていたと考えられます。膵臓では境界不明瞭な小型の腫瘍が形成されており、膵島細胞由来の内分泌系腫瘍が形成されています。また、2ヶ所には非腫瘍性の結節性過形成が認められます。

 

 

この病理検査の結果から虚脱、起立不能、意識障害の原因が判明しました

 

生前に様々な検査をしていればよかったのかもしれませんが、元気な時には大規模な検査をしないものです

 

 

 

 

 

 

色々考えさせられ、教えてくれました

 

 

 

 

 

 

 

したっけ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オークyoutube

the result is Hemangiosarcoma.

and Systemic metastasis.

this dog taught us many things.