オークどうぶつ病院けやき 前谷です。
4月になりましたね。狂犬病予防も令和3年度分の注射が始まりました。
フィラリア予防も開始しておりますので、お時間ある時にお越しくださいね!
さて、以前のブログで、アトピー性皮膚炎のまったく新しい注射薬『サイトポイント』のご紹介をしておりました。
動物で初めて抗体医薬という薬が承認されたのはとてもインパクトのあるニュースでしたが、今回はその注射薬の治療で劇的に皮膚病が改善したワンちゃんをご紹介します。
柴犬のこたろうくん、8才の男の子です。
トリミングショップで耳の異常を指摘されたとのことで来院されました。
耳はもちろんなんですが、個人的には皮膚の脱毛がとても気になりました…
前足や太ももなど、あちこち自分でむしってしまって毛が薄くなってました。
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お腹も赤くかゆそうで、ところどころ色素沈着(黒ずみ)が出てました。
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かゆそうですね〜。
飼い主さんのお話では、しょっちゅうかゆくて自分でかんでいるそうです。
こういう場合、まず寄生虫や感染症などの病気を除外します。
そして次に考えるのは、食べ物が原因の「食物アレルギー」ではないか…ということですね。
食物アレルギーについてはコチラの過去ブログをご覧ください。
こたろうくんは、かゆみ・病変の発現部位や、過去に食物アレルギー用のフードなどをトライして効果がなかったなどの総合的評価から、ハウスダストなどの環境アレルゲンによる「アトピー性皮膚炎」の可能性が高いと判断しました。
アトピー性皮膚炎の治療にはいろんな薬があるわけですが、アポキル錠というアトピー性皮膚炎の薬を飲むと効果があること、そしてこたろうくんは薬を飲むのが大キライなことから、月1回の注射でかゆみを抑えるサイトポイントをご提案しました。
「初回」・「1か月後」と2回の注射を行って、3回目の注射でお越しになった際の写真がコチラです↓
とても毛の薄かった脇腹、ふとももや後ろ足がフサフサに生え揃いました!
飼い主さんのお話だと、初回の注射をしてすぐからほとんどかゆがらなくなったとのことでしたので、すごく効果を実感できたケースでした。
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お腹の方はというと、赤みも引いてますし、黒ずみ(色素沈着)も少しずつ薄くなってきました。
他の薬は使わずに、月1回の注射だけでこれだけ劇的に良くなったんですね〜
毛が生え揃って、柴ちゃんらしいモフモフ感が戻って私も嬉しかったです♪
先日、4回目の注射にお越しになった際には、さらに毛量がアップしてお腹の色素沈着もほとんど改善しておりました。
今回は実は、前回の注射から2ヶ月間空いてたのですが、まったくかゆみはなかったそうです。
海外のケースでは、効果が出てくると間隔を空けてもコントロールできるケースがあると報告されてますが、こたろうくんも体重が6kgのワンちゃんですから10kg用の注射で抗体が2ヶ月くらいは持続してくれそうです。
さらに間隔を空けていけると良いですね♪
すべてのワンちゃんが適応になるわけではありませんが、気になった方はぜひ一度ご相談くださいね!
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治療後の写真です。かゆみから開放されてとても明るい表情のこたろうくんでした♪