母校・山口大学へ

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

先日のお休みで、久々に母校 山口大学・動物医療センターへと行ってまいりました。

コロナ禍になる前に訪れて以来でしたから、かなり久々でしたね。

 

 

昨年、患者さんを紹介して治療をしてもらってましたので、そのお礼もかねて。。。

その患者さんというのは、脳腫瘍のワンちゃんでした。

 

脳腫瘍という病気は、犬にも猫にもありますが、治療が難しい病気の一つです。

脳の表面にできた場合は、頭蓋骨を開けて摘出手術を行うのですが、今回のケースは脳の一番底の部分にできた腫瘍でした。

 

MRI 画像です。

脳の一番深いところに腫瘍があり、手術でアプローチするのは難しいケースでした。

そこで選択したのが『放射線治療』という治療法です。

 

放射線治療器は、私が大学在籍中の頃からあった設備なんですが、実は数年前に新しくなり、ものすごい治療器が導入されたんですね。

今回の訪問は、その治療設備を見せてもらうのも目的の一つでした。

 

 

すごく大きな機械と広い専用の治療室ですね。

以前からあった放射線治療器は、レントゲン撮影の機械の延長線上にあるもので、放射線を腫瘍にあてる際に、表面はより強いパワーで照射され、深部に行くほど効果が弱まってしまうものでした。

ですから、皮膚などの表面臓器には放射線障害が起こりやすく、深いところにある腫瘍に対してはどうしても効果が出にくいという弱点がありました。

 

今回の新しい放射線治療器は、リニアアクセレーター(リニアック)という治療器で、深部の腫瘍に対してもピンポイントで強い線量の放射線を照射できる高度な治療器です。

しかも、IMRT(強度変調放射線治療)と言うのですが、撮影したCT画像をもとに、患者さんの周りをグルグルと回転しながら、腫瘍組織には強い線量を、正常組織にはごく少ない量の放射線しか当たらないようコントロールされた照射が可能になる最新機能を備えてます。

 

矢印のところから放射線が出るのですが、それがグルグルと周囲を回転して腫瘍のみを狙って照射するんですね〜。すごい!

 

この機能は人間の病院でも導入しているところは多くないそうで、本当にすごい治療機器が入ったものだと感心させられます。

その素晴らしい治療器と、山口大学の先生方やスタッフの方々のおかげで、その患者さんは発作を一度も起こすことなく、もうすぐ診断日から1年が経とうとしてますが、とても元気に過ごせているわけです。

でも一番頑張ったのは、山口まで週2日で5週間も頑張って通った飼い主さんですよね。。。

大学に行く直前は、発作が毎日たくさん出て止まらなくなり、あのまま止まらなければ助からないというような状況だったのに、頑張って通った甲斐がありましたね♪

このまま、穏やかな日々が長く続くことを願っております。

 

 

さてさて、大学の周りの懐かしい風景を見ながら帰途につきます。

せっかくですから、山口のオススメを一つご紹介して終わりにしたいと思いますね。

山口に来ると必ず買って帰るのがコチラ。

 

 

外郎(ういろう)といえば…名古屋ではなく「絶対に山口ですよ!!!」

という私の大好物、『生絹(すずし)豆子郎

いわゆる生外郎で日持ちが3日しかないので、お土産としてはちょっと使いにくいのですが、とても美味しいので、山口に立ち寄られた際はぜひお試しくださいね。