猫の心臓病の検査~『スナップproBNP』新発売!

2018年03月19日 (月)

オークどうぶつ病院けやきの副院長の前谷です。

暖かくなるにつれ、フィラリア予防の時期が近づいてきましたね。

病院が混み合う前に、この時期にフィラリアの検査を行っておくことも可能です。

犬はもちろんですが、猫もフィラリアに感染することが分かっていますので、予防をオススメします。

その際、各種健康診断の検査も同時に行うことができますので、ご希望の方は担当獣医師にお申し付けください。

 

 

犬と猫の心臓病の違い

 

血液検査で異常を見つけにくい臓器の1つとして、心臓の病気があります。

 

犬に多い弁膜症(心臓の中の弁が閉じなくなる病気)は、聴診器で心雑音を聞くことで早期に診断することが可能です。

それに対して、猫の心臓病は聴診で診断できることは少なく、水面下で無症状のまま進行します。

運が悪く血栓ができて動脈に詰まった場合は、昨日まで元気にしていた猫の命をあっという間に奪ってしまうこともある、とても恐ろしい病気なのです。

 

 

猫に多い『心筋症』を正確に診断するには、心エコー検査(心臓超音波検査)が必要となりますが、暴れてじっとしてくれなかったり、ドキドキして心拍数が上がると心臓内をじっくりと見ることが難しくなります。

もっと手軽に心臓の病気を疑うことができる検査があれば、猫ちゃんたちにかかる負担も少なくなります

 

 

心臓病の可能性を疑うことができる新しい検査の登場

 

そこで登場したのが、新発売の『スナップproBNP』という検査キットです。

 

猫用スナップproBNP(心臓バイオマーカー)

 

 

心筋に負担がかかった時に血液中に放出される物質である、NT-proBNP(N末端プロB型ナトリウム利尿ペプチドという長たらしい名前があります・・・)を検出することで、無症状でも気づかないうちに心筋に負担がかかっていないかどうかを、血液を抜くだけで知ることができます。

 

この検査キットを使うことで、無症状の中等度以上の心筋症の猫の85%を検出できると言われています。

NT-proBNPという検査は、これまでも血液を検査センターに送付することで測定できた検査なのですが、検査結果の報告には数日かかりました。

 

この検査キットは院内で10分あれば判定できますので、健康診断の一環として心筋症のリスクを知ることができると考えています。

 

 

 

こんな時にご提案するかもしれません・・・

 

・心筋症になりやすい品種の場合: メインクーンソマリアメリカン・ショートヘアなどの猫ちゃんは、若くても要注意です。

・聴診して心雑音やギャロップ(馬が走るような心調律)などの異常があったとき

健康診断の一環として、心臓病の可能性を否定したいとき

・呼吸が苦しい、咳をするなどの症状があって、心臓病からの可能性を否定したいとき

・心臓病が疑われるが、猫が大暴れして超音波検査が難しい場合

 

 

検査費用は、¥4,500(税抜き)となっております。

 

純血種の洋ネコちゃんを飼っていて心配な方や、健康診断の一環としてご興味があれば、お気軽にお問い合わせください。

後肢のつけねに脱毛

2018年03月12日 (月)

という、15歳の去勢猫です

 

内股かな~と思いながら診察です

 

しかし、見てしまいました

 

確かにつけね・・・

 

 

 

 

問診では2週間前から元気食欲がなく、歩き方が不自然だったとのこと

 

肛門嚢破裂および、壊死・・・という状況

 

 

 

バリカンで毛を刈り

 

 

 

キシロカインゼリーを塗布し局所麻酔

 

壊死部分を切除

 

 

 

そして洗浄

 

 

 

 

コンべニアとアイプクリーム投与

 

 

 

 

肛門の横に大きな傷・・・食欲なくなるのはわかります

 

 

自宅でもアイプクリームは継続でお願いしました

 

汚れたら、お湯で洗いながすように指示

 

大切な点は、消毒液では絶対に傷を洗わない、消毒しないことです

 

 

 

それでみるみる治癒するはずです

 

待ちましょう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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首のまわりに

2018年03月11日 (日)

毛玉があるので取ってください

 

・・・

 

ちょっとwildな猫です

 

 

 

・・・

 

おいおいおい、おとなしく~

 

 

 

 

 

毛玉取れたけども、

 

毛玉の原因も取れた

 

 

 

 

首輪にからまっての毛玉

 

しかし、首輪も大事

 

 

予防は定期的にブラッシングです

 

してあげましょうね ♪~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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狼煙ではありません

 

FFチューブ

2018年03月08日 (木)

正式名称は Force Feeding Tube

 

強制給餌という意味です

 

病気で食べないが消化器症状もない

 

食べねば、治癒は難しい

 

そこで、FFチューブ留置

 

 

 

点眼麻酔をして5分後

鼻にも麻酔が行きわたって処置可能

 

8フレンチの大きさの栄養カテーテルにキシロカインゼリーを塗布し滑りを良くする

 

鼻から胃の直前までチューブを入れて、鼻と頭に留置

 

 

 

 

余分なチューブはくるくる巻いて、首に留置

開始から終了まで5分弱

 

そこから流動食を入れる

 

 

 

 

薬も入れる

 

 

 

本人は知らん顔

 

 

これさえあれば点滴もいらなくなります

 

 

元気になったら口から食べることができます

その時がはずしどき、退院どき

自宅療養もこのままできます

 

 

 

 

 

 

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学生時代は牛や馬で鼻からチューブ入れてました

 

 

 

 

マンソン裂頭条虫

2018年02月28日 (水)

 

尻から虫が出たっ

ご来院です

 

尻から引っ張って持ってきた

ありがたいことです

 

 

やや干からびていますが、

 

 

ゆっくりと、取り出して

 

 

水でうるかして、(こういうのが好きなVT↑)

 

 

伸ばします

手延べそうめんではありません

 

 

脅威の60cm越え

 

 

これはマンソン裂頭条虫と言う寄生虫

 

カエルやヘビを食べたら寄生します

 

やたらと強い寄生虫

普通の条虫の6倍の薬を投与しないと駆除ができません

錠剤なら10錠近い量 ⇒ そんな大量無理ですので、注射で駆除

 

 

美しいので即、ホルマリンで永久保存

 

 

 

 

 

 

 

 

ヘビとカエルは食べないようにしましょう

 

 

 

 

 

 

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ちなみに人にも感染します

ヘビとカエルは生で食べないようにしましょう

http://idsc.nih.go.jp/iasr/CD-ROM/records/15/17007.htm

 

 

猫の乳腺腫瘍

2018年01月05日 (金)

猫の乳腺腫瘍は悪性です

できた瞬間から悪性と考えます

 

今回、お腹のシコリが大きくなって、血が出ているとのことでお越しです

 

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カサブタになって、しこりを覆っています

そこを剥がすと

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膿んでいました

消毒洗浄して周りを見ると

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オレンジ色の皮膚病変がありました

おそらく皮膚に転移しているものと考えられます

 

 

 

高齢での乳腺腫瘍は、特に猫では残念な結果がほとんどです

 

発情がこないうちに避妊手術することが一番簡単な予防方法です

 

健康で長生きの秘訣は飼い主さん次第です

 

 

 

 

 

 

 

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体を掻く

2017年12月30日 (土)

ッと言う主訴の猫ちゃんです

 

普通の猫ちゃんですが、

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万歳すると、

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脱毛と言うより、抜毛

皮膚はとてもきれいなピンク色です

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あっ、でも掻きむしりの跡が、

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ほんの一部に

 

以前の血液検査では、好酸球性皮膚炎でした

その時は掻きむしりの跡がひどかったが、今回はほんの少々

 

精神的な、過剰な舐性皮膚炎の可能性も否めない

 

とりあえず前回同様、好酸球性皮膚炎の治療薬Depo(20mg/head)投与

この薬で必ず痒みなら止まります、100%止まります

止まらないなら、精神的な、過剰な舐性皮膚炎の可能性で、クロミプラミン(抗うつ剤)投与です

 

もしかしたらこの二つの病気の可能性もある

 

ホンに簡単にはいかない猫の脱毛、抜毛です

 

 

 

 

 

 

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猫の頬

2017年12月10日 (日)

 

まぁ、ご覧ください

 

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殴られたんじゃぁーないのです

16歳のエっちゃん、多飲多尿の慢性腎不全です

 

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口を気にして食事をしないとのこと

 

もちろんこの原因は、歯周病

 

口を開けようとしてみると・・・

 

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内側からも腫れが見える

 

歯石がどっさりの歯が1本

 

抜きました、抗生剤注射しました

 

上の歯が犬歯以外はありません

下の歯は犬歯含めて4本だけ

 

歯周病なら歯はない方が痛みはありません

 

 

抜歯で元気になれー

 

 

 

 

 

 

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洗濯ネットは安全

2017年11月24日 (金)

2匹は爪切りで来院

 

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ほら、暴れない、体重も測定しやすいし

 

何より、お互いが安全でケガせずにすみました

 

猫は洗濯ネットに入れて来院すると落ちつく上に診察も早く済みます

 

 

 

 

 

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猫の口が臭い

2017年11月02日 (木)

もちろん歯石、歯周病です

 

8歳、雑種、心雑音(+)

 

術前7日前から抗生剤投与

 

歯の数は少ない、自然と抜けて

 

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歯茎もグズグズのズブズブ

 

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歯石除去、抜歯、研磨x2、歯周ポケット処置、ルゴール消毒後

 

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どうですか

 

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ピカピカつやつや

歯の裏も表も完璧

 

 

でも、歯を磨かねばすぐに歯石はつきますyo

 

 

 

 

 

 

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