口の中のガン(口腔内腫瘍)へのレーザー治療

2020年11月12日 (木)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

今回のブログは、ワンちゃんの口の中にできる悪性腫瘍(ガン)に対して、レーザー手術器を使用したお話をしたいと思います。

 

口の中にできるガンは比較的多く、いずれも局所浸潤(その場で奥に奥に広がっていく性格)が強いです。

最も悪い性格の悪性黒色腫(メラノーマ)は肺などに遠隔転移をすることもありますが、扁平上皮癌や線維肉腫といったタイプの腫瘍は、転移をしにくい代わりにジワジワと口の奥の深部に広がっていきます。

こういった口の中のガンに共通するのは、最終的には口の中の痛みや出血がひどくなり、お腹は空くのにご飯が食べれなくてどんどん衰弱していく…というとても残酷な病気なのです。

 

古くから現在に至るまで、口の中のガンに対しては「①顎の骨ごと大きく切除する」+「②術後に放射線治療を行う」or「③術後に抗がん剤を投与する」というのがセオリーです。

しかし、高齢なので大きな侵襲を伴う手術や毎回麻酔をかける放射線治療が現実的に難しい場合、あるいは体力的に術後のダメージが心配で…と飼い主さんが積極的な手術や放射線治療を希望されない場合がとても多いと感じます。

 

口の中にしこりができた場合は、まずどんなタイプの腫瘍なのかを調べるために、一部切り取って病理検査に出す必要性があります。

その際に私は、口の中にも以前のブログでご紹介したイボ取りと同様の蒸散・凝固処置を行っています。

(口の中はイボ取りとは違って全身麻酔が必要となりますが。。。)

 

すぐにまた大きく増殖してしまう場合も多いのですが、不思議とその後再発しないケースなんかもあったりするので、レーザー蒸散をすることの一定のメリットは感じております。

 

こんな子もいました。

口の中に『悪性黒色腫(メラノーマ)』ができたワンちゃんです。

左の上顎、犬歯〜奥歯にかけて黒いしこりで覆われています。

 

組織を取って病理検査に出して、良性か悪性かを調べます。

そのために全身麻酔をかけて切除を行い、その切った歯茎の部分にレーザーで蒸散・凝固処置を丁寧に行いました。

処置後の写真です。腫瘍があった場所が広範囲に炭化しています(焦げたようになっています)。

腫瘍を摘出後、残った粘膜を丁寧にレーザー凝固しました。 先程の写真では見えなかった犬歯や前歯、奥歯が見えるようになっています。

 

ちょっと痛々しく見えるかもしれませんが、処置後のワンちゃんは意外にも痛みはさほどでもなく、スムーズに食事を摂れることが多いです。そこは、レーザーによる鎮痛作用のお陰なのかもしれません。

 

その処置から7ヶ月経過後の、同じワンちゃんの口の中の写真がコチラです。

ホントかな?と思うかもしれませんが、正真正銘同じワンちゃんの処置後7ヶ月後の写真です。

 

ウソのようにどこにも腫瘍らしきものが見当たりません。。。

この子は、処置後に抗がん剤やその他の薬やサプリなども一切処方してないのに!です。

本当に悪性腫瘍なの??と疑われそうですから、病理検査の結果も載せておきます。

 

たまにこういったケースがあるからレーザーは良いなと思います。

もちろんメラノーマという腫瘍は、ものすごく増殖が早いものが多く、見つかった時点ですごく大きくなってしまっているような場合もあります。

そういった場合は、いくらレーザーで処置したからといってもすぐに再発してあっという間に増大してしまうことが多いのも事実です。

メラノーマにはすごく大人しいタイプのものも混ざってるのかな…という印象を抱くことがありますので、たまたまそういったタイプの初期病変であればこのように上手くいくのかもしれません。。。

もしかしたら、ガン細胞の親分である「がん幹細胞」にダメージを与えられたのかな?

あるいは、ガン細胞を壊すことにより、周りの免疫細胞にこんなやつがいるぞ!とお知らせをして、やっつけろ!とガン免疫細胞を活性化することが出来たのか…

うまくいった子の体内でどういったことが起きたのかは分かりませんが、たまにこういうケースもあるんです。

 

他の口の中の腫瘍の場合でも、大きく喉に増殖して気道を塞いでしまい、息苦しさを感じていたワンちゃんにも何度かレーザーで切除後に蒸散・凝固処置をしたケースがあるのですが、数回処置を行った後に大きくなるスピードが落ち、しばらくいい状態をキープできた子なんかもいました。

 

積極的に完治を目指すことが叶わないとなっても、本人のQOLを少しでも改善できるように役立ってくれると良いなと日々色々と考えながら治療を行っております。

今日のブログは長く難しくなってしまいましたが、気になった方は診察時にでもお尋ねくださいね!

 

秋ですね🍁

2020年11月08日 (日)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

今年は豪雨や台風で夏がとても短かった印象ですが、最近は朝晩もかなり冷え込んできましたね。

こういう寒い季節への変わり目は、動物にとっても下痢などの消化器疾患や、頻尿・血尿などの尿路疾患、椎間板ヘルニアなどの病気が多くなる時期です。

普段動物たちが生活している環境も、寒くないかどうか一度見直してあげてくださいね!

 

さて、秋が深まるにつれて、お隣の福岡城址・舞鶴公園などでもそろそろ紅葉が始まる時期ですね。

私は先日のお休みで、秋を先取りすべく大分県の方にGO TOして来ました。

 

九州で一番早く紅葉が始まる場所をご存じですか?

正解は大分県のくじゅう連山の山頂付近です。

くじゅう連山の大船山の山頂にある御池や、くじゅうのシンボル三俣山の紅葉は本当にすごいんです!

今年も登りたいな~という気持ちを抑えつつ、家族旅行なので登山口の「牧ノ戸峠」を少しだけ散策♪ここのソフトクリームが美味しいんですよ~。 ドライブの際はぜひ立ち寄ってください!

登山口付近でも少し色づいてましたよ。

 

くじゅうから湯布院の方に走りまして…湯布院から別府方面に抜けるやまなみハイウェイのドライブが気持ちいいんですよ〜

途中の狭霧台という展望所から荘厳な由布岳を見上げます。。。

このルートのドライブは最高に気持ち良い!

 

別府で1泊して、翌日は今度は鶴見岳にも(^_^;

昨年の年末は霧氷見たさに-9℃の中を山頂まで行きましたが、今回は木々の色づき具合を観察です!

今回もインチキしてロープウェイで登ります。

 

山上駅に着いたら、まぁまぁ色づいてそうですが、気温は5℃ですからもう寒い・・・

ここから10分歩いて頂上を目指しますよ!

 

山頂までは歩いて10分。子どもたちもひょいひょいと登ります。

山頂付近からは、先程の由布岳がお隣に見えますよ。

 

天気にも恵まれてとても気持ちの良い旅となりました。

今回はただの「大分県の大好きなスポット」のご紹介となっちゃいましたね…(^_^;

 

くじゅう自然動物園でずーっとついてきた子ヤギさん

見てんじゃねーよ…

ビルバックHPM療法食で1袋無料キャンペーンを行ってます!

2020年10月24日 (土)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

今回のブログは、新しく取扱いを始めた、製薬メーカー「ビルバック」の病気の犬猫用療法食についてのご案内となります。

 

以前に、診察室にHPMというプレミアムフードの紹介を掲示していたことがあるのですが、今回そのシリーズに様々な病気用の療法食が加わりました。

新製品とは言っても、ビルバック社のあるフランスでは元々販売されておりますので、すでに母国フランスでは定評のある商品です。

ビルバックは製薬会社であり、以前ブログでも紹介したベジデントフレッシュなどの歯科用製品やプロネフラなどの様々な病気用製品に力を入れているメーカーですね。

 

ビルバックのフードHPMの特徴は?

たくさん種類があって、何が良いのかわからない…という声が聞こえてきます。

ビルバックのHPMの一番の特徴は、「犬や猫の本来必要な栄養要求に近いフードを与えたい」という理念になりましょうか。

どういうことかというと、猫は完全肉食動物ですし、祖先がオオカミの犬も雑食動物とはいえかなり肉食よりの動物なのです。

ですから、彼らの祖先たちはお肉メインで食べてきましたので、あまり穀物などは食べ慣れていないわけです。

他のフードを悪く言うつもりは一切ない(それぞれケースバイケースで選んでもらう形で良いと思う)というのを前置きしておきますが、一般的なドッグフード・キャットフードは、腹持ちをよくするため、穀類(炭水化物)でかさを増やしています。

最近、グルテンフリーという言葉はたびたび耳にすると思いますが、そのグルテン(小麦)やコーン(スターチも)、大豆などはフードにたくさん含まれているわけですね。

グルテンは腸や様々な部位に炎症やアレルギーを引き起こす原因だとも考えられたりすることから、特に欧州などでは「グルテンフリー」という考え方が広く浸透しております。有名なテニスプレーヤーのジョコビッチ選手も、ピザ屋の息子でありながら、グルテンフリーを行うことでパフォーマンスが向上し、大成したという話は有名です。

 

余談が長くなってしまいましたが、ビルバックHPMシリーズは総じて、犬猫本来の必要な栄養素性にできるだけ近づけるべく、「高タンパク質・低炭水化物」になるように設計されているわけです。

その原材料にもこだわっており、タンパク質もそのほとんどが良質なお肉由来の動物性タンパク質からなります。

また、減らした炭水化物源としても、グルテンである小麦やトウモロコシ・大豆を一切使っておりません

栄養や原材料にこだわる方や、アレルギーなどの心配がある子たちにオススメのフードと言えると思います。

 

 

 

どうやって購入するの?

ビルバックHPMの療法食は、基本的には院内では販売しておらず、ネット販売になります。

(院内で取り寄せることもできますが、なるべくネットでの購入を推奨しております。)

購入できるサイトは、『ビルバックサービス』というサイトになり、ここでは今回ご紹介したフードや、ベジデントフレッシュなどのデンタル製品も一緒に購入することができます。

いきなり買えるのかというとそうではなく、購入には動物病院のコードを入力する必要があります。

当院にお越しいただければ、以下のようなコードを書いた紙をお渡しします。

 

療法食は、犬猫あわせて9種類のシリーズがありますので、ご興味を持たれた場合は細かい特徴などをお話しますので聞いてくださいね。

 

以前より販売していた、HPMの一般食もあります。こちらはビルバックサービスに登録して申し込むと、ご自宅に無料でサンプルが届く仕組みとなっております。

 

 

現在、療法食の1袋無料キャンペーンを行っております!

なんと、そのビルバックHPMの療法食ですが、ただ今太っ腹なキャンペーン中です!

そのキャンペーンの内容は、ビルバックサービスに登録をすると、通常2,500円 or 3,000円する療法食が、今なら送料600円の負担のみで1袋試すことができる」というものです。(HPMの一般食と、猫ちゃんの腎臓病用のフードは対象外です!!

色んなメーカーの療法食をサンプルもらって試したんだけどあまり食べないんだ…とか、今のフードに飽きちゃって違うのも試したいな…という方はお声かけください。

以下のようなクーポンコードが書かれた紙をお渡ししますので、送料分600円でまずは1袋購入してお試しください。

(この商品は、他メーカーのように食べるかどうかお試しでお渡しする小袋サンプルがありませんので。。。)

 

 

1袋無料キャンペーンは12/11(金)までの期間限定となっておりますので、もしこのブログを読んで興味を持たれた方は一度お声かけくださいね!

 

 

求人ページを更新しました

2020年10月20日 (火)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

今回は、当院の求人募集のご案内です。

このブログという場をお借りしてお知らせをさせていただきます。。。

先日、ホームページの求人ページ情報を更新しております。

 

 

オークどうぶつ病院では、先日よりたくさんの実習生がお越しになりまして、動物看護師の募集は本年度の採用枠に達しておりましたが、このたび欠員が出たために再度1名の追加募集を行います。

また、新型コロナウイルスの影響により春より採用を見合わせておりました獣医師の採用も1名の枠で再開いたしました。

現在、トリマーさんの人員不足により院内でのトリミングを休止させていただいておりますが、早期のトリミング再開に向けてトリマー(看護業務も兼務)の募集も引き続き行っております。

 

ご応募やお問い合わせは、お電話をいただくか、求人ページのフォームメールにていつでもお待ちしております。たくさんのご応募をお待ちしております!

慢性腎臓病のサプリメント『アミンアバスト』販売開始!

2020年10月04日 (日)

 


オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

本日は、10月より取扱いを始めた新しい腎臓用サプリメントをご紹介します。

 

 

製品自体は7月に発売しており、ずっと使いたかったサプリメントでしたが、なかなか入手の問題がありまして…この時期になりました。

すでに診察中にご紹介した方もいますが、この度取り引きのある代理店経由で簡単に入手可能となりましたのでコチラでもご紹介したいと思います。

 

 

どんな成分なの?

成分としては「アミノ酸」となります。アミノ酸は皆さん聞いたことがあるかと思いますが、筋肉などを作るタンパク質のさらに小さな構成成分ですね。

アミノ酸がなんで腎臓に効くの?と思われたと思います。

『アミンアバスト』には以下のアミノ酸成分が含まれ、その配合はAB070597という名前で特許を取得しています。

 

 

様々なアミノ酸が良い影響を与えてくれるとのことですが、特にL-アルギニン、L-ヒスチジン、L-カルノシンが重要で、それらを補うことで、「糸球体濾過量;GFR(腎臓の仕事量)を増やす」・「赤血球の生産を手助けする」・「BMP-7(骨形成タンパク質7)の生産を安定化させる」などの効果が期待できます。

BMP-7というのは、人の研究でも注目を浴びている成分で、腎臓の修復作用を持つタンパク質と言われますので、それらを増やすことで傷ついた腎臓組織が再生する可能性があるというわけです。

 

また、腎臓病の動物には腎臓病専用フードが与えられます。これらは腎臓に配慮して「低タンパク質」の組成になっておりますが、しばしばタンパク質を制限することによる筋肉量の減少などの問題点も指摘されています。

良質なアミノ酸をサプリからも補給することによって、筋肉や体重の低下を予防できる可能性もあると言えます。

 

 

本当に効果があるの?

アミノ酸を補給して腎臓病が改善するというのがやはり信じられませんよね。

このサプリメントの成分「AB070597」はすでに研究でその効能が示されているのです。

 

上記は海外の論文ですが、実際に腎臓病の猫ちゃんに、アミンアバストを投与したグループと投与をしていないグループとで成績を比較しています。

厳密に言うと同じ状況下においてランダムに投与群と偽薬群に分けて行った研究ではないので、その辺りは比較という意味では?な部分もあることは前置きしてはおきますが、結果としては以下の内容において効果があったことが明確に示されています。

 

1.血液中の老廃物クレアチニンが下がった!→すなわち腎臓病のステージが軽くなった!

2.血液中の老廃物リンが下がった!

3.体重が維持できた(落ちなかった)

 

詳細な内容は診察時にでも聞いていただければお答えしますが、サプリメントとはいえ、それが事実であれば結構バカにできないですよね。

しかも試験は104週間(2年以上の期間)で実施されてますので、腎機能の改善が長期間にわたって維持できたことを意味します。

そしてこの試験、フードは腎臓病用フードではなく一般食で行われていますから、純粋にサプリメントの効果をさらに裏付けるものとなってます。

「慢性腎臓病がいかに早期発見→早期治療が大事なのか」を身をもって知っている私たちにとっても、これは早い段階から推奨できる商品なのではと期待しております。

 

 

どうやって飲ませるの?

そうは言っても猫ちゃんは投薬が大変な生き物で…

「飲めなければ意味がないじゃない!!」という声がたくさん聞こえてきますね(^_^;;

中身はどんなものかというと

 

実はこんなに大きなカプセルで、このまま猫ちゃんに飲ませるのはいくら私でも至難の業と言えますね…

これを朝晩の1日2回飲ませるためにはどうするか。

中身を大好きな食べ物に混ぜちゃいましょうか。

アミノ酸ですから嗜好性は良く、好きなウェットフードに混ぜても食べてくれる可能性は高いです。

でも本当かな?と私も思いましたので、病院の腎臓病の猫ちゃんに食べさせてみましたよ。

 

 

今回は、ご覧の通り食いつき抜群!!のちゅーるに混ぜて与えましたのでしっかり食べてくれましたが、周りにこぼれた粉末状の中身にも気にせずお皿をなめてましたよね!

慣れない診察室の緊張感の中でも食べてくれたことを加味すると、おそらく好きな腎臓病用ウェットフードでも大丈夫じゃないかと思いました。

 

 

 

いかがだったでしょうか?

この『アミンアバスト』はサプリメントですから副作用を気にすることはありませんし、例えば腎結石があるとか、多飲多尿が出てきて腎臓が心配だとか、明確に治療が必要な慢性腎臓病の診断を受ける前でも早めから始めることができる商品だと思います。

論文は猫ちゃんでの治療効果を評価してますが、もちろん犬猫用なので、ワンちゃんへの使用も大丈夫ですよ。

もしブログを見て気になる方は診察時にぜひお声掛けくださいね!

 

レーザー手術機器がバージョンアップしました。

2020年09月18日 (金)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

導入から1年経ちました、飛鳥メディカルさんの半導体レーザー「D-Lase V20」ですが、先日バージョンアップ作業に出しまして、作業が完了して戻ってきました。

できることが大きく変わったわけではありませんが、椎間板ヘルニアや関節炎などで患部にレーザー照射をする際に、より細かな条件設定が組み入れられ、さらに効果的な治療が可能となりました。

元々飛鳥メディカルさんには、とても評判の良い治療専用のレーザー治療器が別にあるのですが、その仕様に近いレベルになったのです。

 

例えば、椎間板ヘルニアの子にレーザー治療を行う場合、

プログラムの「慢性疼痛」を選択

体重を選択

その子に合った条件がプログラムされ、準備完了!

 

このように、治療内容や体重で細かく条件設定が可能になりました。欲を言えば、毛色や犬種などもっと細かい設定があればなお良いのですが・・・

毛の黒い犬種はレーザー光の感受性が良く熱がることも多いので、その場合は自分で設定した条件に適宜変更して治療を行っております。

椎間板ヘルニア治療のレーザーは、劇的な効果が期待できるわけではありませんが、患部を温めレーザーの効果で血流を改善し、炎症や疼痛を和らげてあげられますので、薬と安静だけの時よりもプラスアルファの効果を実感できるワンちゃんも多いものです。

 

最近どんどん増えてきているレーザーの使用症例は、ガンの動物の治療オプションとしての使用です。

小さなイボとりのレーザー蒸散は以前のブログでご紹介しましたが、最近はもっと大きくなった腫瘍に対しては、レーザー凝固という治療もしばしば行っています。

レーザー凝固とは、広拡散プローブという特殊な器具で腫瘍内にレーザーファイバーを穿刺し、腫瘍の内部でレーザーを照射するという治療法です。

レーザーを穿刺・照射された組織では、下の写真のような凝固巣ができます。(写真は鶏肉で照射した断面写真です)

矢印の方向から広拡散プローブでレーザーファイバーを穿刺してます。

 

中心部は黒く炭化し、さらに周囲は白くタンパク変性を起こしています。さらにその周囲は肉眼的には変化はありませんが、実は熱による腫瘍細胞へのダメージ巣、さらにその周囲にはレーザー光自体の作用による免疫細胞の活性化や血流改善などが重なるわけです。

ガン細胞自体にダメージを与え、その壊れたガンの断片が飛び散って、それを認識する自分自身のガン免疫を動かしたいという目論見の治療となりますので、動物自身の免疫力を上げる注射やサプリメントの併用などもご提案しております。

この小さな凝固巣を腫瘍内部にたくさん作ってあげることで、自分自身の免疫力などにもよるのでしょうが、上手く行けばガンが小さくなっていくのです。

表面のガンには局所麻酔で行うことも可能であり、悪性の口腔内腫瘍などでは全身麻酔下で行っております。

 

また、手術が難しい肺の腫瘍や腹腔内の大きな腫瘍などの場合は、以前のブログでご紹介したマイルドレーザーサーミアという温熱療法でガンの休眠療法(本人の生活の質QOLを改善して、ガンと付き合いながら元気に過ごす!)も行っております。

 

手術中のレーザーメスや血管シーリング(縫合糸を使わずに血管を切断)などなど、レーザーでできることは他にもたくさんあり大いに助けられているわけですが、さらなる改良・バージョンアップを重ね、ますますできることが増えていくことをぜひ期待したいですね!

気付けば100個も書いたもんだ…

2020年09月10日 (木)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

最大級の警戒が必要と言われた台風10号、とても恐ろしかったですね。

当院も9/7(月)はスタッフの安全面を考慮して、臨時休診という対応をさせていただいたのですが、午後には思ったより天候も回復してましたので、来院したかった方もいらっしゃったかもしれません。

ご迷惑をお掛けいたしましたが、ご協力いただきありがとうございました。

 

その台風10号ですが、「あれ?9号の方がひどかったような…」なんて個人的には感じておりました。

良い意味で拍子抜けした感じの印象ですが、というのも実は、台風10号の勢力が当初の予想よりも強くならなかったらしいんですね。

その理由というのが、直前に台風9号が同じようなコースを通ったことにより、降り注いだ雨と分厚い雲が日光を遮った効果で、海水温が下がっていたとのこと。

そのお陰で、台風に入り込む水蒸気が減って、台風の勢力がさほど強くならなかったらしいんです。

なんと!台風9号のファインプレーなんですね。。。

それでも地域によっては台風の被害が大きかったところもありますが、過去最大級の自然災害を少しでも小さくできたんだとすれば、台風9号には感謝です。

 

私事ですが、先日の話。。。その台風9号と10号の間に誕生日を迎えましたので、「誕生日の朝は山頂で日の出を見よう!」と意気込んで、真っ暗な中を西へ車を走らせ糸島の山に登ったのですが、分厚い雲に覆われて肝心の太陽はまったく拝めず・・・

2つも連発で来る台風をその時は恨みましたが、こういう話を耳にすると…まぁよしとしましょう。

 

表題の通りですが、気づけば私のブログも今回で100記事目となりました。

数年前に病院の公式ホームページのリニューアルに取り組み、その一環で病院ブログを始め、スタッフみんなでコツコツ書いてきたのを感慨深く思い返しています。

診察の際に色々とご質問やお声をかけていただいたり、記事を見て遠方からわざわざお越しになって下さったり、たまに全国各地からもお問い合わせや激励のお電話をいただいたりもします。いつも読んで頂き誠にありがとうございます。

空き時間や休日などに書いてますのでボチボチの更新にはなりますが、これからもよろしくお願いします!

 

コロナの夏休み🌞

2020年08月20日 (木)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

コロナウイルスはまったく収まる気配がなく、今年の夏はいつもと違う過ごし方をされているのではないかと思います。

当院でも、例年ならペットホテルの動物でいっぱいなのですが、今年はほとんど入りませんでした…帰省も旅行もなかなか難しいですもんね。

 

私も子供たちが夏休みになり、かといって旅行や人が多いところに連れて行くわけにも行かず。。。

休日はもっぱら涼しい山の中の川で遊んだりして過ごしました。

 

なるべく人の少ない場所を狙って行ってますのでコロナの心配は少ないんでしょうが、何せ山の中なもんで、子供と一緒にハチに追いかけられたりドキドキ体験もあり。。。

 

先日は川で小さな魚を捕まえました。

子供が連れて帰ると言って聞かないので家に持って帰ってきましたが、これはメダカでしょうか?

 

ネットで写真など色々見てると、ハヤ(カワムツなど)の赤ちゃんかなー?

マスクで熱中症にならないように、暑いwithコロナの夏を乗り越えましょう!

みたままつり🏮

2020年08月16日 (日)

オークどうぶつ病院けやき 前谷です。

当院のお隣の護国神社では、お盆には『みたままつり』が行われ、毎年たくさんの人で賑わっているのですが、今年はコロナウイルスの影響により露天の出店や蚤の市、イベントステージは開催されておりません。

 

ですが、今年もまたオークどうぶつ病院の提灯が出ていますので、行かれた際は見つけてみてください!(本日8/16の21:00まで点灯しております…)

今年はひっそりと提灯を灯して、先人・ご先祖に感謝するお祭りとなっております。例年と比べると人も少ないのでお散歩がてらにどうぞ!

 

 

来年はまた、たくさんの人で賑わう、いつもの『みたままつり』になりますよう、また全人類がコロナウイルスに打ち勝てるようにしっかりお祈りしておきます。。。

リプリノールアドバンス〜夏のキャンペーンやってます

2020年08月10日 (月)

オークどうぶつ病院けやき 副院長の前谷です。

以前に人間用のアンチノールが新発売したことをご紹介しましたね。

お得なキャンペーンのお知らせがメーカーより来ましたので軽くご紹介しておきますね。

 

 

もし現在愛飲されている方、あるいはアンチノールをワンちゃん・猫ちゃんに飲ませてて、自分も飲んでみたいな~とご興味をお持ちの方がいらっしゃれば、10/15までリプリノールを扱うお店限定で、『2袋購入すれば+1袋ついてくる=合計3袋』のお得なキャンペーンを行うんだそうです。2020年夏のキャンペーンは終了致しました

 

当院でも「あのブログのキャンペーンの分で!」と2袋をご注文いただければ、2袋分のお値段で3袋購入できます!もしご希望の方がいらっしゃれば、在庫は置いてませんので必ずお電話で注文をお願いいたします。

1袋(1ヶ月分)の料金は¥6,000(税抜)です。ちょっと高いので、私は半分の1日1カプセルだけ飲んでます…(^_^;

人間用のサプリメントの記事なので、今日はこのくらいで。

 

慢性炎症は万病のもとですから、目に見えなくても高い抗炎症効果に期待してますが果たして。。。(最近の愛読書です)